2023年5月 7日放送 為末大さん(第2330回)
会場 | 三島市民生涯学習センター(三島市) |
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講師 | 元陸上選手 為末大 |
講師紹介 | 1978年生まれ。世界陸上の男子400メートルハードルで銅メダルを2度獲得。五輪に3度出場。動画プラットフォーム「為末大学」の学長を務めるほか、スポーツと社会貢献のために幅広く活躍。 |
会場 | 三島市民生涯学習センター(三島市) |
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講師 | 元陸上選手 為末大 |
講師紹介 | 1978年生まれ。世界陸上の男子400メートルハードルで銅メダルを2度獲得。五輪に3度出場。動画プラットフォーム「為末大学」の学長を務めるほか、スポーツと社会貢献のために幅広く活躍。 |
「自分を作っていく」と言われても、自分はすでにあるものだし、作るもなにも、と思うかもしれませんが、よく考えてみると、自分で自分のことを本当に分かっているでしょうか。自分のことをどう捉え、どう生かしていくのかということは、すごく大事なことです。
【自分を知る】
自分を知ることの大きなポイントは、推測して自分を予想することです。はっきりと自分はこういう人間だと分かっているわけではなく、言ったことややったこと、感じたこと、心拍数の上がり下がりなどを観察して、自分はきっとこういう人間なんだろう、と推測するのです。
よく自分を観察すると、長所と短所が同じことの表と裏を言っているということが分かってきます。アスリートでも、試合の時に大胆じゃない選手に対し、「あいつは小心者で」と言ったりしますが、一方で用意周到さだったり、繊細さであったりするので、何かリスクを回避する時には、大事な能力になります。
一度自分を他人のようにして見て、あまり価値観で決めつけないようにしながら、自分にはこういう特徴があるな、それが良いか悪いかは置いておいて、という感じに大まかに自分をつかんでいくことが大切です。
【自分で考える 自分で決める】
私たちが何かをやると決めているということは、何かをやらないと決めていることでもあるのです。自分の人生の横に違う可能性が走っていて、私は陸上競技の選手になりましたが、もしかしたら、どこかでサッカー選手になるという道もあったかもしれません。
必ずどちらかに決めようと考えると、最後には自分が何を大事にして生きていきたいのかという価値観の話になってきます。人生の優先順位が決まり判断軸のようなものができていきます。
【自分の中心をつかむ】
自分の中心が分かるということは、周辺も分かるということ。周辺は、大事かもしれないけれど、どうでもいいことです。大事なものがたくさんあればあるほど、私たちは自由になれないし重い荷物を抱えていくことになりますが、これだけが大事なんだとなれば、それだけを懐に入れていれば、あとは周辺のことなので、そんなにこだわらないで済むのです。
自分を作っていくことで、人生がシンプルになります。
いま、グローバルに日本のお片付けやお掃除が注目されていますが、世界的にもいろんなものが増えすぎて、荷物が多すぎて、本当に大事なものが何かわからなくなっているのではないでしょうか。そんな中で、自分にとって何が大事なのか考えて、決めて、自分を作っていくプロセスの中で、人生が本当にシンプルになって、やるべきことだけに集中できるようになるのだと思います。